写真で光あそび

  ディフューザー / トレペ枚数の違いについてテスト

■ はじめに ■

下図のセッティングで、ディフューザー(トレペ)を0枚〜3枚の4パターンでテスト。ソフトボックスは小型のものを利用。

ディフューザー

■ 露出固定で撮影 ■

枚数を多くするほど、暗くなる。

その理由を考えてみると…

A:トレペに反射してストロボの方へ戻って行く光があるため。

B:トレペに吸収されるため。(その吸収された波長分で色温度に変化がでる。吸収されたエネルギーは熱になっていると思われる。)

C:トレペ上の各点から全方位的に拡散光が進む。

  トレペの無い時より、トレペ面からさらに広角に広がりのある光の進行となったためエネルギーが分散するため。

  また、ただ広角になったわけでなく、その範囲の中で各光の進行はランダムに存在しているのがハードリフレクターとの違いであると言える気がする。

  ディフューザーの働きは、照射角をその面においてさらに広角にしつつ、その中で光の進み方をランダムにするものと言える気がする。

 

写真の陰影に影響するのは3点目のC。

枚数を多くするほど、様々な方向からの光が被写体を照らす。

極端に言うと、真横から一直線に進む光、例えば太陽からの平行光線に照らされる月の様な、陰影がパッキリとしたものになるが

一方向ではなく、様々に角度のついた光が被写体を照らすことで、陰影のやわらかい光のあたり方にになる。

 

■ 露出を合わせてみた ■

トレペ0枚では、小型ソフトボックスからの照射という事になるが

露出を上げるとハイライトが飛びすぎてストロボ直のようなコントラストのキツい印象が出てきた。

トレペ0枚でこのようキツくせず、明るくするためには(下記2つの印象は異なるが)

・ソフトボックスのサイズを大きなものにして、大きな面とそこからの回り込みによりコントラストをおさえて全体の明るさを上げる。

・一番最初の写真のセッティングで、多灯にする。

などが考えられる。

 

全体を比較してみると、まずトレペ無しと有りで大きく変わる。

ありの中では枚数を増やす程、やわらかくなっている。

特に光の芯があたっている向かって左側のヘアへのハイライトが

トレペ1枚では少しキツさがあるがトレペ3枚ではやわらかい。

■ 露出を飛ばしてのテスト ■

飛ばし気味にする事で、コントラストの調子がよくわかる。

トレペ枚数が少ないほど、明るいところが局所的に飛んでいることがわかる。

 

このあえてトーンを見る為に露出をオーバーぎみにしたテストではあるが

トレペ3枚の写真はそれなりに成立しているようにも感じた。

 

柔らかい光でコントラストをおさえ、陰影のレンジを狭くしつつ

それをダイナミックレンジの中で持ち上げ

気持ちよいハイキーの写真が可能になると感じれたテストになった。

■ 結論 ■

・ソフトボックスといえども、その面のサイズ、照射距離によっては、生っぽさの残る光質であると思った。

・トレペがありとなしで、大きく結果が変わった。

・最大3枚のテストではあるが、トレペ枚数を多くする度に、変化が見て取れた。(=ここからは変化がないというところがあるのだろうか)